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睡眠時無呼吸症候群の原因と危険因子(肥満、仰向け、喫煙)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

sleep apnea syndoromeの略。睡眠中に呼吸停止(無呼吸)や、呼吸が少なくなる(低換気)が起きる疾患。主な症状としては、いびき日中の眠気や集中力の低下・夜間の中途覚醒・熟眠感の欠如・全身倦怠感など。合併症が多く、高血圧・糖尿病・脳梗塞・心筋梗塞などの危険因子となる。低酸素状態交感神経系の亢進や再呼吸による急激な酸化ストレスなどが原因とされる。

分類

閉塞性

OSA (obstructive sleep apnea)。SASの大部分を占める。睡眠中の上気道(特に咽頭部)の狭窄や閉塞によって起きる。覚醒時は咽頭の筋肉(オトガイ舌筋や口蓋帆張筋)によって内腔を維持しているが、睡眠中はそれらが弛緩するため、狭くなりやすい。これに後述するような様々な要因が加わって狭窄・閉塞が起きる。

中枢性

CSA (central~)。延髄にある呼吸中枢が呼吸の指令を出しているが、これがうまく働かなくなる。脳血管障害や心不全などで起きる。呼吸の指令が出ないため、呼吸努力はなく、いびきも生じない

混合性

MSA (mixed~)。OSAとCSAの合わさったもの。

リスクファクター

OSAには様々なリスクファクターがある。

睡眠時無呼吸症候群のメカニズム

http://www.hakuyoukai.or.jp/tc/sas_kensa.htmlより

肥満

最大の危険因子。軟部組織の発達や脂肪沈着のため上気道が狭小化する。ただ日本人の場合は1/3~1\4が非肥満なので注意。

仰向け

体位によっても影響を受け、仰臥位では重力による舌根部の沈下のため上気道が狭小化する。できるだけ横になって(側臥位で)寝るのが望ましい。

骨形態

アジア人では下顎の後退や小顎症、長顔などの骨格的な問題で先天的に咽頭部が狭小化しやすい。

アデノイド増殖症・扁桃肥大

小児で多いSASの原因。口蓋扁桃や咽頭扁桃(アデノイド)が通常は学童期あたりで萎縮するが、肥大したままになる状態。

アデノイド増殖症と扁桃肥大

https://health.goo.ne.jp/medical/10F20100より

アルコール

中枢神経に抑制性に働いて舌下神経の活動が抑制される(下と同じGABAA受容体に作用)。すると上気道を拡張する筋肉の緊張が低下し、狭窄が起きる。特に就寝前の飲酒はNG。

ベンゾジアゼピン系

GABAA受容体作動性の薬剤(ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系・バルビツール酸系など)も、アルコールと同様に中枢神経に働いて舌下神経の活動が抑制される。そのため睡眠薬を含めた精神科系の薬剤を使用しているかどうかも留意する必要がある。

喫煙

咽頭の粘膜や扁桃に慢性的な炎症が起き、上気道の閉塞につながると考えられている。

 

<参考>

循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン

Overview of obstructive sleep apnea in adults - UpToDate


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