どちらもナトリウム利尿ペプチドファミリーと呼ばれるもので、心臓で作られるホルモンの一種。
ANP
心房ナトリウム利尿ペプチド (atriual natriuretic peptide)。心筋の伸展刺激によって、心房から作られる。
末梢血管を拡張させるとともに、腎臓におけるナトリウム利尿作用も持つ。末梢血管抵抗の低下と循環血漿量の低下によって、心臓への負荷を軽減させる役割があるため、心不全の治療薬として用いられる=hANP製剤(カルペリチド、ハンプ®、hはhumanの略)。
心房の伸展=循環血漿量の上昇に応じて生成されるので、体液量の評価の指標ともなる。
BNP
脳性ナトリウム利尿ペプチド (brain natriureatic peptide)。こちらは真菌の伸展刺激によって心室から作られる。ブタの脳から発見されたためbrainと付いているが、実際は心臓由来。
ANPと似たような作用を持つが、ハンプのように治療薬としては使われていない。
循環血漿量(心臓の前負荷)とともに左室の機能障害も反映して上昇するため、心不全のマーカーとして用いられる。重症度に応じて上昇し、治療によって低下するため、存在診断だけでなく、治療効果の測定にも用いられる。
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