Things in the closet

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咳喘息とアトピー咳嗽の違い

 とりあえずこんな問題。

111G22

慢性咳嗽について正しいのはどれか。

 

a. 慢性咳嗽とは4週間以上継続する咳である。

b. アトピー咳嗽には気管支拡張薬が有効である。

c. 降圧薬ではカルシウム拮抗薬が主な原因である。

d. 咳喘息にはプロトンポンプ阻害薬が有効である。

e. 副鼻腔気管支症候群にはマクロライド系抗菌薬が有効である。

見た限りでは、咳喘息が問われるのは109H24以来2回目で、アトピー咳嗽に至っては初めて。109H24でも慢性咳嗽の鑑別が問われているので、これから増えてくるかも。

慢性咳嗽の鑑別

「慢性咳嗽 鑑別」の画像検索結果

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針反応とは

英語ではPathergy (パテルギー)。ベーチェット病で比較的特異的な検査。皮膚を無菌針で斜めに5mmほど刺すと、24-48時間後に発赤・腫脹が生じ、中に無菌性の膿ができる。好中球の機能亢進によって、皮膚の被刺激性が高まることが原因。カミソリや採血をした部分があとになって膿んでしまうのも同じ原因による。

https://openi.nlm.nih.gov/imgs/512/188/3488487/PMC3488487_2049-6958-7-33-4.png?keywords=pathergy

https://openi.nlm.nih.gov/detailedresult.php?img=PMC3488487_2049-6958-7-33-4&req=4より

 

日本の厚生労働省の診断基準では参考所見となっているが、国際基準には含まれている(下を参考)。

厚生労働省ベーチェット病診断基準

http://bd-navi.jp/about/images/idx_img_02_zoom.jpg

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サイトカインのまとめと覚え方

サイトカインは、白血球などの細胞から分泌されるタンパク質で、複数の標的細胞に対する情報伝達を行う。1つのサイトカインが複数の役割を持っていたり、逆に複数のサイトカインが似たような働きを保つ場合がある。リンパ球が産生するものをリンホカイン、単球・マクロファージが産生するものをモノカインと呼ぶ。

  • 用語のまとめ
    • インターロイキン (IL:Interleukin)
    • インターフェロン (IFN; interferon)
    • 腫瘍壊死因子 (TNF: tumor necrosis factor)
    • TGF-β (transforming growth factor)
    • コロニー増殖因子(CSF: colony stimulating factor)
    • ケモカイン (chemokine)
    • 炎症性サイトカイン
    • 抗炎症性サイトカイン
  • 細胞別サイトカインまとめ
    • マクロファージが産生
      • IL-1
      • IL-6
      • IL-8
      • IL-12
      • INF-α
      • TNF-α
    • Th1細胞が産生
      • IL-2
      • IFN-γ
    • Th2細胞が産生
      • IL-4
      • IL-5
      • IL-10
      • IL-13
  • 覚え方
    • マクロファージの産生
    • Th1の産生
    • Th2の産生

用語のまとめ

名称別に、

インターロイキン (IL:Interleukin)

白血球から分泌され、免疫反応を調節するサイトカイン。30種類以上ある。

インターフェロン (IFN; interferon)

ウイルス感染や腫瘍細胞に反応して分泌されるサイトカイン。ウイルスや腫瘍細胞の増殖を抑制する。マクロファージやNK細胞の活性化も行う。α(マクロファージで産生)、β(線維芽細胞)、γ(T細胞: 特にTh1細胞) の3種類。

腫瘍壊死因子 (TNF: tumor necrosis factor)

腫瘍細胞の障害(アポトーシスの誘導)や炎症反応に関与。αとβがある。

TGF-β (transforming growth factor)

抗炎症性サイトカインの1つで、多くの細胞の増殖を抑制する。がん細胞の増殖抑制にも働き、癌抑制因子として働く。

コロニー増殖因子(CSF: colony stimulating factor)

血球の増殖を促進する。顆粒球へ分化させるG-CSFや、単球へ分化させるM-CSFなどがある。

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Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ型アレルギーの機序と代表疾患

そもそもアレルギー(allergy)とは、免疫反応の結果もたらされる生体の傷害のこと。普段は侵入してきた異物を排除するための免疫機能が、過敏に反応してしまう。機序の違いによって大きく4つに分けられる (Coombs:クームスの分類)。

 

ちなみに覚え方は、「ABCD」。

1型は A

→(一般的な) Allergy、Anaphylaxis (アナフィラキシー)

2型は B

→antiBody (抗体が悪さをするもの)

3型は C

→immune Complex、Complement (免疫複合体や補体)

4型は D

Delayed (遅延型)

  • 1型アレルギー
    • 代表疾患
      • アナフィラキシーショック
      • アレルギー性鼻炎
      • 気管支喘息
      • アトピー性皮膚炎
      • 食物アレルギーや薬物アレルギーの一部
      • 蕁麻疹
  • 2型アレルギー
    • 代表疾患
      • 不適合輸血
      • Rh不適合妊娠
      • 自己免疫性溶血性貧血(AIHA)
      • 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
      • Goodpasture症候群
      • 慢性甲状腺炎
      • 甲状腺機能亢進症
      • 重症筋無力症
  • 3型アレルギー
    • 代表疾患
      • SLE, ループス腎炎
      • 急性糸球体腎炎
      • 悪性関節リウマチ
      • クリオグロブリン血症
      • 過敏性肺炎
      • 血清病
  • 4型アレルギー
    • 代表疾患
      • 接触性皮膚炎
      • ツベルクリン反応
      • GVHD
      • 薬物アレルギーの一部

1型アレルギー

即時型アナフィラキシー型とも。抗原に曝露後数分~数十分で症状が出るのが特徴。いわゆるアレルギーとして認識されているもの。

1型アレルギーの機序 *1

①花粉やダニといった抗原(アレルゲン)が体内に侵入すると、ヘルパーT細胞(Th2細胞)がB細胞に指令を出し、形質細胞へ分化させる

②形質細胞からその抗原に特異的なIgE抗体が産生される

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ANPとBNP, NT-proBNP

どちらもナトリウム利尿ペプチドファミリーと呼ばれるもので、心臓で作られるホルモンの一種。

ANP

心房ナトリウム利尿ペプチド (atriual natriuretic peptide)。心筋の伸展刺激によって、心房から作られる。

末梢血管を拡張させるとともに、腎臓におけるナトリウム尿作用も持つ。末梢血管抵抗の低下と循環血漿量の低下によって、心臓への負荷を軽減させる役割があるため、心不全の治療薬として用いられる=hANP製剤(カルペリチドハンプ®、hはhumanの略)。

心房の伸展=循環血漿量の上昇に応じて生成されるので、体液量の評価の指標ともなる。

BNP

脳性ナトリウム利尿ペプチド (brain natriureatic peptide)。こちらは真菌の伸展刺激によって心室から作られる。ブタの脳から発見されたためbrainと付いているが、実際は心臓由来。

ANPと似たような作用を持つが、ハンプのように治療薬としては使われていない。

循環血漿量(心臓の前負荷)とともに左室の機能障害も反映して上昇するため、心不全のマーカーとして用いられる。重症度に応じて上昇し、治療によって低下するため、存在診断だけでなく、治療効果の測定にも用いられる。

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