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寄与危険割合と集団寄与危険割合

ある要因Aの曝露群と非曝露群において、疾病Bによる死亡率がそれぞれ10万人年対で6.4と3.9だったとする。(10万人年対というのは、例えば10万人の人を1年間観察したら〇〇人が疾病Bで死亡した、という感じの意味。)このとき、相対危険度と寄与危険度、および寄与危険割合はいくつだろうか。

 

相対危険度=6.4÷3.9≒1.64 

→Aに曝露していた方が1.64倍、Bにかかりやすい

寄与危険度=6.4-3.9=2.5      

→Aに曝露していた方が10万人年対で2.5人かかった人が多い

寄与危険割合

寄与危険割合は、曝露ありの群において、曝露の寄与した死亡の割合を表す。

よって2.5/6.4≒0.391=39.1%  

つまり曝露群の死亡の39.1%は実際に曝露によるものであるといえる。

 

個人のレベルで曝露のあるなしを考える場合は、例えば「飲酒による食道癌のリスクが高い」のであれば、単純に飲酒を避ければよい。しかし寄与危険では全体としての曝露の割合がわからないため、集団レベルの政策にはあまり役に立たない (飲酒率が1%しかないのに、寄与危険が高いという理由で禁煙を国策として挙げるのはお門違いだろう。逆に個人にとっては飲酒率というのはあまり関係がない)。ここで集団寄与危険=人口寄与危険というものを考える。集団寄与危険の場合、引かれる対象は曝露のあるなしにかかわらず集団全体の死亡率となる。上の例で集団全体(例えば日本国民)のBによる死亡率を5.0とすれば

集団寄与危険集団全体のBによる死亡率ー非曝露群のBによる死亡率=5-3.9=1.1

同様にして、集団寄与危険割合=1.1/5=0.22=22%

 

つまり、日本において疾病Bによる死亡のうち、要因Aが原因のものは10万人年で1.1人であり、22%に相当する、といえる。


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