麻疹(Measles)
パラミクソウイルス科のRNAウイルス。空気感染(飛沫、接触もあり)、5類感染症。5歳くらいに好発。
体内に入った麻疹ウイルスは上気道や扁桃のリンパ節中でリンパ球や単球に侵入、増殖→リンパ球に乗って血中へ(第一次ウイルス血症)=潜伏期は約10日、発熱、鼻汁過多、咳嗽などのカタル症状(=粘膜から大量の水分がでてくる)を呈する。koplik班(臼歯に向かい合ってできる頬粘膜の白い斑点)も有名。
→その後、肝臓・脾臓のマクロファージなどで再び増殖(第二次ウイルス血症)→約1日間が空くため二峰性の発熱となる。顔面から始まり融合傾向を示す発疹(色素沈着を残す)もこの頃にできる。
→リンパ球を中心に増殖するため白血球(主にリンパ球)は減少し、細胞性免疫も一時低下→ツベルクリン反応の陰転化・細菌感染、ウイルス性の間質性肺炎、亜急性硬化性全脳炎の併発
風疹(Rubbela)…麻疹より軽い!
トガウイルス科のRNAウイルス。飛沫感染。5類感染症。学童(10歳くらい)に好発。
麻疹ウイルスと同様にリンパ球に侵入するが、感染力は弱い(25%は不顕性感染)
→2,3週間の潜伏期を経て発疹(融合傾向はなく、色素沈着も残さず数日で消失=三日ばしか)・発熱(ないこともある)で突然発症
→カタル症状は無く、耳後部リンパ節の腫脹が特徴的
→合併症としては特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、関節炎