基準値(基準範囲)は、健常人の95%が含まれる上限値と下限値の間の範囲を示すもので、この値を外れたからといって、直ちに異常や、疾患の有無を表すものではないことに注意 (現在「正常値」という言葉が使われないのもこのため)。また、文献や施設によって値の変動があるため、正確に覚える必要も無く、大体の範囲を記憶していればたいていは大丈夫。ここで紹介している基準値も覚えやすいように少しいじっているので、あくまで参考程度としてください。
生化学ver.もどうぞ。
血液検査(生化学)の基準値まとめとゴロ - Things in the closet
血算の基準値
白血球数(WBC)
white blood cellの略。 基準値は4000〜9000/μL。
「四(4) 苦(9) 八苦(白血球)」
白血球分画
・好中球数(Neut)
neutrophilの略。基準値は40〜70%。
大体60%くらい。
・リンパ球数(Lym)
lymphocyteの略。基準値は25〜45%。
好中球の半分で、大体30%くらい。
・単球数(Mono)
monocyteの略。基準値は4〜7%。
「単語」単=単球、語=5、で5%程度。
・好酸球数(Eo)
eosinophilの略。基準値は1〜5%。
「好酸(3)球」で3%程度。
・好塩基球数(Ba)
basophilの略。基準値は0〜1%。
あるかないか程度。「1円」円=塩基球で1%程度。
赤血球数(RBC)
red blood cellの略。基準値は男女で異なり、
男:410〜550 万/μL
女:380〜480 万/μL
なので、大体400〜500万くらい。
「赤字なら、閉(4)ま(0)れ(0)!こ(5)ま(0)れ(0)!」
ヘモグロビン濃度(Hb)
血液1dL中に含まれるヘモグロビンの重量(g)。
男:14〜18 g/dL
女:12〜16 g/dL
「石(14)と岩(18)」
ヘマトクリット値(Ht)
血液中に占める血球の体積の割合(%)。赤血球の数が断然多いので、ほぼ赤血球の体積となる。
男:40〜48%
女:36〜42%
男で大体4〜50%。半分以下。RBCと似たような値なので覚えやすい。
平均赤血球容積(MCV)
mean corpuscular volumeの略で、単位はfl (=10-15L)。赤血球の容積(大きさ)を表す。基準値は80〜100flで、これによって貧血を赤血球の大きさで、大球性・正球性・小球性の3つに分類できる。一応計算式も。
MCV (fl)=1000 × Ht(%) / RBC(104/μL)
平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)
mean corpuscular hemoglobin、単位はpg (=10-12g)。赤血球1つ当たりのヘモグロビン量を表す。意義はMCHCと同じなので、MCHCを覚えていればいい。ちなみに基準値は27〜32pg。
MCH (pg)=1000 × Hb(g/dL) / RBC(104/μL)
平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)
mean corpuscular hemoglobin concentration、単位はg/dL。こっちは1Ht当たりのヘモグロビン量。これによって貧血をヘモグロビンの多さで、正色素性・低色素性の2つに分類する (もともとヘモグロビンは赤血球中で飽和しているため、基準値を超えることはまれ)。基準値は32〜36 g/dLなので、下限の32だけ覚える。
MCHC (g/dL)=100 × Hb(g/dL) / Ht(%)
網状赤血球(RET)
reticulocyteの略。骨髄でできたばかりの幼弱な赤血球のことで、骨髄での赤血球産生の機能を推定できる。基準値は0.2〜2 %あるいは、千分率で2〜20 ‰なので、大体1%。
血小板数(Plt)
plateletの略。基準値は15〜40 万/μL
「決勝は行こ(15)う、島(40)へ」
<参考>
標準臨床検査医学 第4版