①通常、細胞膜ではNa-K ATPaseの働きで外側にナトリウムが多く、内側にカリウムが多い状態になっている。またKチャネルは一部開いているため、細胞外へ少しずつKが漏洩する。そのため細胞内の電位はマイナスとなり静止膜電位が発生する。
②細胞外カリウムの濃度が高くなると、内から外へのカリウムの移動が起こりにくくなるため、静止膜電位は浅くなる。
③心筋の興奮を起こすのは電位依存性ナトリウムチャネルが開いて外から内へナトリウムが大量に入ってくるためだが、膜電位が高いせいで細胞内へ入りづらくなってしまい、心筋の興奮は遅れる(QRS幅の拡大、PQ延長)。
④一方で膜電位が浅いために、再分極はしやすくなり、Kチャネルが開き、Kが外へ出やすくなる(T波の増高=テント状T波)
⑤更に高カリウム血症が進むと、静止膜電位が浅くなりすぎて心房における脱分極が起こりづらくなる(P波の消失、減高)。
⑥これが続くと、P波はなくなり、QRS幅が更に広くなる→心室細動!