生後2,3日から始まり、5,6日にピークとなり、7〜10日に消失する間接Bil優位の黄疸。新生児の90%にみられる。
ビリルビン産生の亢進
胎児期は低酸素環境→赤血球の数を多くし、ヘモグロビンもHbF (2本のα鎖+2本のγ鎖、成人では2本のα鎖+2本のβ鎖が80%以上)という酸素親和性の高いタイプのものが多い→生後、肺が機能するようになると多血状態となり、余った赤血球はどんどん壊される。
ビリルビン代謝の未熟
ヘムの分解で出来た間接ビリルビンは肝臓でグルクロン酸抱合されて直接ビリルビンになるが、新生児ではその酵素(グルクロン酸転移酵素)の活性が低いため、間接ビリルビンが増えやすい。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20130614/より
腸肝循環の亢進
胎児期は、産生した直接ビリルビンは便として出すのではなく、腸管内で脱抱合をして吸収し、臍帯を通して母体に送って処理してもらっている。その後出生児に胎盤が失われると、直接ビリルビンを便として出そうとするが、腸内細菌がまだ発達していないため、直接ビリルビン→ウロビリノーゲンの反応が進まず、直接ビリルビンのまま便を出す(=新生児の便は黄色い)。また、腸管内で脱抱合をする酵素もまだ残っているため、腸管からの再吸収が盛んであり、血中間接ビリルビンは上昇する。