薬剤性肺障害とは
薬剤の投与によって起きた呼吸器系疾患の総称で、最も多い間質性肺炎(薬剤性肺炎と呼ばれる)の他にも、肺水腫や気管支喘息などがある。発症時期は様々だが、数週間~数ヶ月で発症することが多い。
発症機序は不明な部分が多いが、薬剤のもつ細胞傷害性によるものや、アレルギー反応によるものが考えられている。
原因薬剤
どんな薬剤でも起こしうるが、特に多いものとして、抗がん剤・抗リウマチ薬・抗菌薬・漢方薬・アミオダロンなどがあげられる。
覚え方としては、
「V6に足蹴り」
ブ: ブレオマイシン
イ: インターフェロン
シックス: シクロホスファミド
に: ニューキノロン
あ: アミオダロン
し: 小柴胡湯
げ: ゲフィニチブ
り: リウマチ薬 (MTXや金製剤)
イ: インターフェロン
シックス: シクロホスファミド
に: ニューキノロン
あ: アミオダロン
し: 小柴胡湯
げ: ゲフィニチブ
り: リウマチ薬 (MTXや金製剤)
以下軽い説明。
ブレオマイシン
抗生物質系の抗癌薬。DNA鎖を切断。ホジキンリンパ腫などの悪性リンパ腫、頭頸部癌、皮膚癌などに有用。
インターフェロン
ウイルス増殖・細胞増殖の抑制。B型、C型肝炎や多発性骨髄腫に用いられる。
シクロホスファミド
アルキル化薬。悪性リンパ腫などに用いられる。
ニューキノロン
DNAジャイレースを阻害する抗菌薬。ニューキノロンだけと言わず抗菌薬ならなんでも起こりうる。
アミオダロン
第Ⅲ群の抗不整脈薬。 Ca拮抗薬。投与後数年立ってから発症することもある。
小柴胡湯
肝炎、胃炎、風邪などに使う。インターフェロンとの併用は禁忌なのは有名だが、単体でも起こりうる。
ゲフィニチブ
上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼの選択的阻害薬。分子標的治療薬の1つ。非小細胞肺癌に用いられる。
※元ネタでは「り」の部分はリュープロレリンでしたが、あまり重要そうでないため、MTXや金製剤を含めた(抗)リウマチ薬としています。
<参考>