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NAPスコアとは

NAP(neutrophil alkaline phosphatase)=好中球アルカリホスファターゼ。好中球に含まれる酵素のこと。NAPスコアでは成熟好中球におけるNAP活性の程度を調べる。つまり正常な好中球がたくさん活動していれば高値になるし、正常な好中球が少なければ低値になる。 

NAPスコア↓の疾患

 ・慢性骨髄性白血病(CML)

成熟白血球まで分化した異常クローン細胞が増える→成熟好中球はたくさんあるがまともな奴の割合は低い。 

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)

補体(C3)が活性化することによって赤血球が破壊される疾患。通常は補体制御蛋白(CD55やCD59)というのがいて補体の活性化を制御するが、PNHでは補体制御蛋白を細胞膜に繋ぎ止める役割を果たすGPIアンカーが発現しない。そのため補体(C3)の活性化が進行して赤血球の細胞膜が破壊される。

GPIアンカー沖縄県医師会報(2011年10月号)より

そして、このGPIアンカーが繋ぎ止めているタンパク質はほかにもあり、それがNAPAChE。NAPが失われるのでNAPスコアは低くなり、AChEの活性も低下する。

 

PNHについて詳しくは以下記事から。

NAPスコア↑の疾患

CMLの急性増悪

急性増悪すると芽球が急速に増加、急性白血病と似たような病態になる→病的な成熟好中球が減るため慢性期にくらべ上昇する

 

原発性骨髄線維症

造血幹細胞異常によって巨核球が増殖→二次的に骨髄が線維化→脾臓や肝臓での髄外造血を頑張る→NAP上昇

 

真性多血症

造血幹細胞異常によって赤血球の腫瘍性増殖をきたすが、白血球と血小板も増加する→機能自体はまともなのでNAPスコアは上昇。

<参考>

STEP内科2 感染症・血液 第3版


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