レイノー(Raynaud)現象とは
寒冷刺激やストレスを誘引として起こる、特に手指の可逆的な変色こと。レイノー症候群とも。痛みやしびれを伴うことも。末梢の血管の攣縮による虚血が原因とされるが、詳しいことは分かっていない。
Raynaud syndrome - Wikipediaより
複数の指に起こることもあれば、上の写真のように、1本だけの指に見られることもある。色の変化も特徴的で、はじめは虚血による白色、次にチアノーゼによる青や紫、そして20分位すると血流が戻ってくるため赤色になる。
レイノー現象の原因
原発性
原因となる基礎疾患がみられないもので、レイノー病と呼ばれる。レイノー現象の大半(80%)が含まれるが、強皮症のように後になって原病を発症することもある。
以下に挙げるのは続発性の原因疾患で、多いのは膠原病。レイノーの本体は虚血なので、膠原病以外は血流が落ちそう・血管が締まりそうなものとして考えれば大体想像がつく。
膠原病
全身性強皮症(SSc)、MCTDではほぼ必発。他に起きうるものとして、PM/DM、SLE、シェーグレン症候群があって、どれも確率的には50%以下。有名なゴロがあって、
「例の合コン今日の午後にする?」
例の=レイノー
合コン=混合性結合組織病 (MCTD)
今日の=全身性強皮症
午後=PM/DM
する=SLE
MCTDはSSc、SLE、PM/DMの臨床症状が混在するものなので、このゴロでMCTDが含まれる疾患を覚えることもできる。また最初の2つがレイノーほぼ必発のもの。シェーグレン症候群が入っていないのが玉に瑕だけど、上の利点もあるのでよし。ちなみに「例の合コンで禁煙拒否する」というゴロもあります。
血管・血液疾患
・Buerger病 (閉塞性血栓性血管炎、TAO)
・閉塞性動脈硬化症 (ASO)
・胸郭出口症候群
・クリオグロブリン血症
・寒冷凝集素症
神経疾患
・手根管症候群
内分泌疾患
・甲状腺機能低下症…代謝低下による体温の低下など
環境因子
・凍傷
・振動…チェーンソーなどの振動工具を扱う職種で多い
薬剤性
・β遮断薬
・交感神経作用薬
・コカイン
・ニコチン
<参考>
レイノー症候群 - 04. 心血管疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
uptodate