白血病とは
血液中に含まれる白血球、赤血球、血小板は、すべて骨髄の造血幹細胞から分化成熟してできるが、白血病はこのどこかの段階で白血球の造血幹細胞に変異が起こり(異常クローン細胞)、腫瘍性に増殖したものを指す。
症状としては
①骨髄が異常クローン細胞で埋め尽くされるため、正常な血球を作れない⇒赤血球・白血球・血小板がすべて減ってしまう(=汎血球減少)
②末梢血での白血球↑↑ …ほとんどが異常クローン細胞なので、もちろん免疫などの機能は持たない
③臓器浸潤…発熱、リンパ節腫脹、歯肉腫脹など
急性と慢性の違い
普通、急性・慢性といったら時間経過の差を指しているように思えるが、白血病の場合はそうではなく、分化能の有無が問題となる。
急性白血病
分化能を全く持たない異常クローン細胞が増殖⇒末梢血では普通の成熟白血球+特定の段階で分化が止まった大量の芽球が見られるため、その中間の段階の白血球は見当たらない。そのため下図のような白血病裂孔が出現する。
慢性白血病
分化能を保った異常クローン細胞が増殖⇒末梢血では普通の白血球+分化の初期~成熟段階までのすべての血球が存在するため、白血病裂孔は見られない。
<参考>
STEP内科2 感染症・血液 第3版