その2では人名のものを4つ。
※調べて見たところ、100回以降の国試で名前が直接問われているのはAustin Flintのみでした(101B72)。なので無理に固有名詞を覚える必要はなく、肺高血圧になるとPRになるとか、僧帽弁の血流量が増えるとMSの音が聞こえるといった感じで理解しておけばいい気がします。
Austin-Flint雑音
AR (大動脈弁閉鎖不全症)。
拡張期に大動脈から血液が逆流してくると、僧帽弁が開きにくくなる→相対的なMS=拡張期ランブルをきたす。
覚え方としては、「Austin fLint→AとL→AR」。
Diastolic Murmurs | Thoracic Keyより
Carey-Coombs雑音
PDA (動脈管開存症)、VSD (心室中隔欠損症)、MR (僧帽弁閉鎖不全症)。
僧帽弁を通る血流量が増える→相対的なMS (僧帽弁狭窄)=拡張期ランブルをきたす
Graham-Steell雑音
MS (僧帽弁狭窄症)、PDA (動脈管開存症)など
肺高血圧によって肺動脈弁が圧にやられて開大→相対的なPR(肺動脈弁閉鎖不全)によって拡張期逆流性雑音が聞かれる
Rivero-Carvallo徴候
TR (三尖弁閉鎖不全)。
吸気時に収縮期逆流性雑音が増強する。
詳しい機序は、
①吸気時には横隔膜が下がって胸腔内圧は減少
②胸腔内圧からの圧迫が減るため静脈は拡張→還流量増加
③三尖弁を通過する血流量も増加
④収縮期の逆流性雑音も増加
<参考>
病気がみえる 循環器 第4版
ハーバード大学テキスト 心臓病の病態生理 第3版