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大脈/小脈と速脈/遅脈

脈を触れた時の拍動の強さや立ち上がりの速さを表した用語。頻脈や徐脈とはまた異なるので注意。

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大脈/小脈

脈を触れた時に拍動をより強く感じることを大脈(pulsus magnus)、弱く感じるものを小脈(pulsus parvus)と呼ぶ。脈圧(収縮期血圧–拡張期血圧)が高いほど脈を強く触れるようになる。

大脈をきたす疾患

大動脈弁閉鎖不全症(AR)…拡張期に血液が左室へ逆流するため、拡張期血圧が低下する。

動脈管開存症(PDA)…拡張期に大動脈→肺動脈へ血液が移動するため、拡張期血圧が低下。

動脈硬化…動脈が硬くなり弾性がなくなると、より狭い内腔を血液が通ることになるため、収縮期血圧が上昇する (柔らかいゴムホースが古くなって硬くなるイメージ)。 拡張期血圧は正常なので、(孤立性)収縮期高血圧症と呼ぶ。

敗血症性ショック…末梢血管抵抗の減少により心拍出量が増える

低血糖…インスリン拮抗ホルモンとして、カテコラミンの産生が上昇する。

運動、発熱、疼痛、甲状腺機能亢進症

小脈をきたす疾患

大動脈弁狭窄症(AS)…左室流出路が閉塞するため、心拍出量が低下する。

心房中隔欠損症(ASD)…左房に入った血液が右房へ逃げるため、左室へ入る血液量が減少。

 

その他、心拍出量が減る疾患

心タンポナーデ、心不全、心筋梗塞、出血、脱水など

速脈/遅脈

脈を触れた時に、すぐに立ち上がってすぐに消失するものを速脈(pulsus celer)、反対に立ち上がりも消失もゆっくりなものを遅脈(pulsus tardus)と呼ぶ。速脈→大脈、遅脈→小脈の関係が成り立つ。

速脈をきたす疾患

大動脈弁閉鎖不全症・動脈管開存症…左室へ流入する血液量が増える→大動脈から

たくさんの血流を一気に出し、拡張期には別の場所へ移動するため、サーっと圧が下がる。

遅脈をきたす疾患

大動脈弁狭窄症…閉塞によって大動脈へ駆出するのに時間がかかる。

 

練習問題。

93A49

脈と疾患との組合せで正しいのはどれか。3つ選べ。

a 頻脈 - 完全右脚ブロック

b 徐脈 - 三尖弁閉鎖症

c 速脈 - 動脈管開存症

d 遅脈 - 大動脈弁狭窄症

e 奇脈 - 心タンポナーデ

 

 

答えはc, d, e。

<参考>

病気がみえる 循環器 第4版


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